「九条の大罪」全17巻を完全ガイド|弁護士×ヤクザが交差する圧巻のサスペンスを深掘りする

九条の大罪 アイキャッチ

※ アイキャッチ画像はGemini AIで生成したイメージ画像です

📖 この記事でわかること

  • 「九条の大罪」の全17巻のあらすじ・読む順番
  • 主人公・九条間人(くじょうたいざ)の個性と魅力
  • 各篇のテーマと見どころ(事件ごとの解説)
  • 同作者「闇金ウシジマくん」との共通点と違い
  • 「法とモラルの限界」を描くこの作品が刺さる理由

「なぜこんな弁護士が存在するのか」——読み始めるとそう感じる人も多いのが、真鍋昌平の最新作「九条の大罪」です。

主人公は鼻炎持ちのバツイチで、ビルの屋上でテント生活をしている偏屈な弁護士・九条間人(くじょうたいざ)。依頼してくるのは半グレ、ヤクザ、前科持ちばかり。ネットでは悪徳弁護士と叩かれながらも、九条は依頼人のために法の限界ぎりぎりを攻める手法で活躍します。

「闇金ウシジマくん」で社会の底辺を描ききった真鍋昌平が、今度は法律という武器を手にした漫画を描くとどうなるのか。2020年から小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中の本作は、2026年8月に第17集を刊行。累計発行部数も順調に伸び続けています。

この記事では全17巻のあらすじ・読む順番・各篇の見どころを詳しく解説します。

「九条の大罪」基本情報

項目 内容
作者 真鍋昌平
出版社 小学館
掲載誌 週刊ビッグコミックスピリッツ
連載開始 2020年(46号)
最新刊 第17集(2026年8月3日発売)
ジャンル 法廷・犯罪ドラマ・青年漫画
前作 闇金ウシジマくん(小学館)

主人公・九条間人とはどんな弁護士か

「九条の大罪」の主人公・九条間人(くじょうたいざ)は、一般的な弁護士像とはかけ離れた人物です。

鼻炎持ちで常にティッシュを手放せず、バツイチで離婚の後遺症を引きずり、事務所費を節約するためビルの屋上にテントを張って寝泊まりしています。見た目はだらしなく、事務所は小さく、依頼人は半グレ・ヤクザ・前科持ちばかり——。

それでも九条には鋭い法的洞察力と、依頼人を絶対に見捨てない姿勢があります。社会的に「悪」と見なされる人間であっても、九条は弁護士として全力を尽くします。時に法のグレーゾーンを巧みに使い、倫理的に問題のある手を打つこともある。それが「九条の大罪」というタイトルの意味でもあります。

イソ弁(居候弁護士)として九条の事務所に転がり込んだ烏丸真司(からすままさし)は、正義感の強い対照的なキャラクター。彼の視点を通じて、読者も九条の行動の是非を問い続けます。

全17巻 あらすじと読む順番

「九条の大罪」は長篇の事件(篇)ごとに話が進みます。各篇を理解することで、作品のテーマがよりクリアに見えてきます。

第1集〜第3集:飲酒轢き逃げ事件篇

シリーズの幕開けとなる事件は、飲酒して轢き逃げをした半グレが九条に依頼してくるところから始まります。九条が授ける策は弁護士にはあるまじき教唆——法を守るべき側の人間が、なぜここまで踏み込むのか。第1集は九条というキャラクターの異質さを読者に叩きつける導入です。

第4集〜第7集:ぴえん女子・しずく篇

殺人事件の容疑者となった若い女性・しずくを弁護する中で、九条自身が逮捕・勾留されてしまいます。事件の真相を追いながら、弁護士として何ができるのか。社会の分断と被害者・加害者双方の視点が交錯する力作篇です。

第8集〜第11集:生命の値段篇

釈放後の九条が挑むのは、巨大病院を舞台にした医療業界の闇。医療費・保険・生命の値段という重い問いを、九条の弁護士視点で切り込んでいきます。真鍋昌平が「闇金ウシジマくん」で培った「業界の闇をリアルに描く」手法が存分に発揮された篇です。

第12集〜第14集:暴力団顧問弁護士篇

ヤクザ組織の顧問弁護士として深みにはまっていく九条。法律と暴力、正義と生存の間で揺れる九条の内面が初めて掘り下げられます。この篇以降、物語はより骨格の太い展開へと向かいます。

第15集〜第17集:最新篇(2026年8月現在)

2026年8月3日発売の第17集まで、九条は新たな難事件に取り組んでいます。最新篇の詳細は出版社公式サイト(bigcomicbros.net)で公式あらすじを確認できます。

連載は週刊スピリッツで現在も継続中のため、単行本未収録の最新話も読むことができます。

 

真鍋昌平の前作「闇金ウシジマくん」(2004〜2019年・全46巻)を読んでいると、「九条の大罪」の世界観がより深く理解できます。

比較項目 闇金ウシジマくん 九条の大罪
主人公の立場 闇金業者(搾取する側) 弁護士(守る側、一応)
描く世界 借金・貧困・半グレの世界 法律・犯罪・弁護の世界
テーマ 社会の搾取構造 法とモラルの限界
読者層 20〜40代男性 20〜40代男女
巻数 全46巻(完結) 17巻(連載中)

どちらも「社会から排除された人々」を主役に置き、日本の闇を容赦なく描きます。「ウシジマ」が搾取する側から見た絶望だとすれば、「九条」は法という武器を持った男が試みる「救済の限界」を描いています。

この作品が「刺さる」理由——法とモラルの問いかけ

「九条の大罪」が多くの読者に刺さるのは、正しさの定義を問い続けるからです。

九条が弁護するのは、客観的に見て「悪い側」にいることが多い依頼人です。にもかかわらず、彼は弁護士として全力を尽くします。それは「依頼人を守るのが弁護士の仕事」というシンプルな原則に従っているからでもあり、同時に九条自身が「法律というシステム」に対して抱く複雑な感情の発露でもあります。

読み進めるうちに、読者は自問するようになります。

  • 「この依頼人は守られるべきか?」
  • 「法に従うことと、正しいことは同じか?」
  • 「九条のやり方は、本当に”大罪”なのか?」

その問いに明確な答えを与えないまま次の篇へと進んでいく構造が、本作の中毒性の正体です。

著者・真鍋昌平の他の作品

作品名 概要
闇金ウシジマくん 全46巻(完結)。闇金業者・ウシジマが登場する社会派漫画の金字塔。実写ドラマ化・映画化もされた代表作。
ボーダー ウシジマくんの前作にあたる青年漫画。少年がストリートへと落ちていく様子を描く。

既刊一覧(全17巻)

巻数 主な内容 発売年
1〜3集 飲酒轢き逃げ事件篇(シリーズ導入) 2021年
4〜7集 ぴえん女子・しずく篇 2022〜2023年
8〜11集 生命の値段篇(医療業界の闇) 2023〜2024年
12〜14集 暴力団顧問弁護士篇 2024〜2025年
15〜17集 最新篇(連載中) 2025〜2026年

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まとめ:「九条の大罪」は読む順番そのままでOK

「九条の大罪」は1巻から読み進めていくだけで問題ありません。事件ごとに独立した篇が完結する構成なので、途中から読んでも楽しめますが、九条というキャラクターへの理解を深めるためには1巻から順番に読むのがベストです。

「闇金ウシジマくん」を既読なら、真鍋昌平の進化を感じながら読める喜びがあります。未読でも本作単独で十分に面白く読めます。

法とモラルの間で揺れるアンチヒーロー弁護士の物語——「九条の大罪」は、正義の意味を問い続ける大人のための漫画です。

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