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ダンジョン飯 考察|魔物料理が美味しそうな理由は、食品サンプルで証明されていた

※本記事は、公式サイト・出版社・ニュースサイトで公開されている情報をもとにまとめています。推測にあたる部分は、その旨を書いています。

『ダンジョン飯』の「ダンジョン飯 考察」で必ず出てくるのが、「なぜ魔物の料理がこんなに美味しそうに見えるのか」という問いです。この問いには、かなり具体的な答えが残っています。2016年、単行本3巻の広告ポスターのために、作中の料理「大サソリと歩き茸の水炊き」の食品サンプルが実際に制作されました。そのとき制作会社がどう作ったのかを、コミックナタリーが密着取材しているのです。そこで分かるのは、九井諒子さんの描く架空の料理が実在の食材の型で再現できるほど具体的だったという事実でした。

📘 この記事でわかること

  • 作中の料理が実際に食品サンプル化された記録があること
  • 歩き茸・大サソリ・干しスライムが、それぞれ現実の何で作られたか
  • 制作者が語った「架空の食材をどう美味しそうにするか」の工夫
  • この作品の料理描写が持つ一貫したルール
  • 全14巻・全97話という刊行データとアニメ情報

📈 数字で見るダンジョン飯

全14巻
全97話・ハルタ volume11〜107
1400万部
累計発行部数(2024年3月時点)
アニメ第1期
2024年1月4日〜6月13日/第2期は2027年10月〜
2024年
星雲賞コミック部門を受賞

ダンジョン飯の料理が美味しそうに見える3つの理由

🔑 食品サンプルの制作記録から分かること

  1. 架空の食材が、実在の食材に一対一で対応づけられる。歩き茸はエリンギ、大サソリの身は伊勢海老、サカサイモは長芋の型で再現できました。
  2. 調理後は突飛なことが起きない。担当編集者は「料理したあとは突拍子もないことは起こらない作品」と説明しています。
  3. 細部の不揃いさまで描かれている。干しスライムは押し出し機ではなく手作業で1本ずつ切られました。太さが揃わないほうが原作に近いからです。

以下、鍵かっこ内は出典元での発言をそのまま引いたものです。リンク先で全文を確認できます。

ダンジョン飯の料理を、食品サンプル職人はどう作ったか

以下は、コミックナタリーが2016年に行った食品サンプル制作の密着取材からの引用です。単行本3巻の広告ポスター用に、岐阜県郡上市の食品サンプル会社イワサキ・ビーアイが「大サソリと歩き茸の水炊き」を制作しました。

食品サンプルは、実際の食べ物から型を取って作るのが基本です。つまり架空の料理をサンプル化するには、「これは現実の何にあたるのか」を決めなければならない。その作業記録が、そのまま作品の分析になっています。

歩き茸はエリンギ、大サソリは伊勢海老だった

「みたいっていうか、実際にエリンギの型を使ってるんです。型を取れる大きさのキノコってエリンギしかないんですよね」
— イワサキ・ビーアイ 深沢氏(出典:コミックナタリー 食品サンプル制作密着)

担当編集者が「なんだかエリンギみたいですね」と言ったのに対する答えです。大サソリについては「身は伊勢海老を利用しました。殻の部分は海老や蟹を使って、少し盛ったりしています」、サカサイモは「普通に長芋を使いました」と説明されています。

ここが重要な点です。架空の食材が、置き換え可能な現実の食材を持っている。読者が「美味しそう」と感じるのは、見たことのない食べ物を見ているようでいて、実は知っている食感や質感を読み取っているからだ、という説明が成り立ちます。

花苔は「1枚1枚型を取ると時間がかかるので、似た形の造花に樹脂を染み込ませて、色をつけて加工」したとのこと。ここまで具体的に対応づけられる架空料理は、そう多くないはずです。

干しスライムは、わざと太さを揃えなかった

「1本1本の太さが多少違ったほうがリアルなんじゃないかなってことで、手作業で切ってます」
— イワサキ・ビーアイ 深沢氏(出典:コミックナタリー 食品サンプル制作密着)

干しスライムはマロニーをイメージして作られました。細い麺のサンプルには押し出し機を使う方法もあるのに、あえて板状に伸ばしてから包丁で切ったといいます。

作中にも干しスライムを包丁で切る場面があり、担当編集者が「それと同じですね」と応じています。原作の工程そのものをなぞって作られたわけです。

均一に作れる道具があるのに手作業を選ぶ。この判断ができるのは、原作の絵に「手で切ったから不揃い」という情報が描かれていたからです。

作った職人自身は、サソリを食べたことがなかった

「実際にサソリを食べたことがないし、切った断面を見たこともないので」
— イワサキ・ビーアイ 工場長 中田氏(出典:コミックナタリー 食品サンプル制作密着)

いちばん難しかったのは大サソリだった、という話のなかでの発言です。中田さんは「『美味しそうに』って言われたけどどうやったら美味しそうになるんだろう」と思いながら作った、と振り返っています。

それでも完成させられたのは、原作に十分な情報が描かれていたからでしょう。中田さんは「架空の料理なのでこっちが表現してしまえば、もうそれが答えなのかな」とも語っていて、作り手としての割り切りも見えます。

ちなみにこの会社の先代会長の言葉として「形あるものはなんでもできるんだ。空気以外はなんでも作っちゃえ」という一節も紹介されています。

料理したあとは、突拍子もないことが起こらない

「ホントに美味しそうに見えるように作中では描いてるし、料理したあとは突拍子もないことは起こらない作品なので」
— 「ダンジョン飯」担当編集(出典:コミックナタリー 食品サンプル制作密着)

サンプルの写真が「ビジュアル的には意外と普通」になることについての会話から出た言葉です。取材者も「『こんな気持ち悪いもの食べられないよー』っていうんじゃなくて、『架空の食材をリアルに食べることができるように描く』っていうのが見どころ」と応じています。

つまりこの作品は、モンスターの異形さで驚かせる方向には進まない。食材として処理された時点で、それは普通の料理になる。これが料理を美味しそうに見せている大きな理由です。

「魔物を食べる」という設定はショッキングに見えますが、実際に描かれているのは調理と食事の手順です。だから読んでいて食欲が湧く、という構造になっています。

作品の基本情報

項目内容
作品名ダンジョン飯
作者九井諒子(くい りょうこ)
掲載誌ハルタ(KADOKAWA)volume11〜volume107
連載期間2014年2月15日〜2023年9月15日
巻数・話数全14巻・全97話(完結済み)
累計発行部数1400万部以上(2024年3月時点)
アニメ第1期 2024年1月4日〜6月13日/第2期は2027年10月〜
受賞2024年6月に星雲賞コミック部門を受賞。連載初期にも複数のランキングで1位

架空の食材と、現実の食材の対応表

取材記事で明かされた対応関係を表にまとめます。「この魔物料理は現実の何でできているか」が分かる、おそらく唯一の公開記録です。

✅ 作品・公式で確認できること
以下はすべて、食品サンプル制作の取材記録で確認できる内容です。
作中の食材食品サンプルでの再現方法
歩き茸エリンギの型を使用。型を取れる大きさのキノコがエリンギしかないため
大サソリ(身)伊勢海老を利用
大サソリ(殻)海老や蟹を使い、少し盛って加工
サカサイモ長芋の型を使用
花苔似た形の造花に樹脂を染み込ませ、色をつけて加工
干しスライムマロニーをイメージ。板状に伸ばしてから包丁で手切り

こうして並べると、魔物の料理がどれも「見たことのある食材の組み合わせ」で説明できることが分かります。読者が違和感なく美味しそうだと感じるのは、この対応関係が絵の段階ですでに成立しているからだと考えられます。

この企画が成立した背景

そもそも、なぜマンガの料理を食品サンプルにすることになったのか。その経緯も記録に残っています。

✅ 作品・公式で確認できること
以下は取材記録に書かれている経緯です。
項目内容
きっかけ宣伝部がパンフレットを持ってきて「食品サンプルを作りましょう」と提案。食材がたくさん出てくるマンガだから、という理由
依頼のしかた担当編集は「こうしたい」ではなく「どうしましょう」と相談するところから始めた
制作会社イワサキ・ビーアイ(岐阜県郡上市)。総合研究所での打ち合わせを経て制作
工程1. 型を用意 → 2. 樹脂を流し込む → 3. 色をつける
日本独特の文化工場長によれば、食品サンプルがない国が多く「細かい作業ができるのは日本人独特」
その後ポスター使用後に大型書店へ貸し出し。ミミックや宝虫のジャムの制作も検討されていた

「ほかのグルメマンガに出てくる料理をサンプルで作っても面白くはないので、架空の食材を扱う『ダンジョン飯』ならでは」という取材者の指摘が、この企画の本質を言い当てています。

まだ分かっていないこと(ここから先は推測です)

❓ まだ分かっていないこと(以下は推測です)
ここから先は、作者の発言や公式資料では確認できていない内容です。筆者の読み取りとしてお読みください。
TVアニメ『ダンジョン飯』PV第1弾(KADOKAWAanime)

九井諒子さん自身が何を参照して描いたのか

食品サンプルの制作者が「現実の何に近いか」を逆算したことは記録に残っています。ただし、九井さんが描くときに実在の食材を参照していたのかどうかは、本記事の調査範囲では確認できませんでした。

取材記事には「九井さんも実物を見て喜んでました」という担当編集者の言葉があるだけです。作者側の制作プロセスについては、別の一次情報が必要です。

「美味しそう」に見える理由は、これだけか

本記事では食材の対応関係という一点に絞りました。ただし、料理の手順を細かく描く構成、食べる場面での表情、コマ割りのテンポなど、ほかにも要因はあるはずです。

それらについては作者や制作陣の発言を確認できていないため、ここでは断定を避けます。新しい一次情報が見つかれば追記します。

どこで読める?

紙のコミックスはハルタコミックス(KADOKAWA)から全14巻が発売されています。完結済みなので全巻セットでも手に入ります。

電子版は主要な電子書店で配信されています。アニメは各配信サービスで視聴できます。

よくある質問

ダンジョン飯の料理はなぜ美味しそうに見える?

架空の食材が現実の食材に対応づけられるほど具体的に描かれているためです。実際に食品サンプルが作られたとき、歩き茸はエリンギ、大サソリの身は伊勢海老、サカサイモは長芋の型で再現されました。

作中の料理が実際に作られたことはある?

あります。2016年、単行本3巻の広告ポスター用に「大サソリと歩き茸の水炊き」の食品サンプルが制作され、その過程がコミックナタリーに記録されています。

干しスライムは何で作られた?

マロニーをイメージして作られました。押し出し機を使わず、板状に伸ばしてから包丁で1本ずつ手切りしています。原作に包丁で切る場面があるためです。

ダンジョン飯は全何巻?

全14巻・全97話で完結しています。「ハルタ」で2014年2月15日から2023年9月15日まで連載されました。

アニメは何期まである?

第1期が2024年1月4日から6月13日まで放送され、第2期は2027年10月からの放送が予定されています。

累計発行部数は?

2024年3月時点で1400万部以上を記録しています。

まとめ

『ダンジョン飯』の魔物料理が美味しそうに見える理由は、食品サンプルの制作記録から具体的に説明できます。歩き茸はエリンギ、大サソリの身は伊勢海老、サカサイモは長芋、干しスライムはマロニー。架空の食材が現実の食材に一対一で対応づけられるほど、絵の段階で情報が描き込まれていました。さらに担当編集者が言うように「料理したあとは突拍子もないことは起こらない」——調理された時点でそれは普通の料理になる、という一貫したルールが、この作品の食欲を支えています。

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出典

出典を示したうえで、必要な範囲だけを引用しています。本記事に画像は掲載していません。©九井諒子/KADOKAWA

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