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電脳コイル|企画書もアイデアメモも公開されている。アーカイブ本は368ページ

電脳コイル アイキャッチ

※本記事は、公式サイト・出版社・ニュースサイトで公開されている情報をもとにまとめています。推測にあたる部分は、その旨を書いています。

電脳コイルは全26話のTVアニメです。2007年に放送され、磯光雄さんが原作・監督を務めました。この作品には珍しい点があります。企画書、アイデアメモ、シナリオ、設定、絵コンテといった制作初期の資料が、本と展示で公開されているのです。368ページのアーカイブ本、書籍「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」、そして2026年1月からの展示。本編を見たあとに追える材料が、かなり残されています。

📘 この記事でわかること

  • 全26話という話数
  • 企画書やアイデアメモがどこで見られるか
  • 368ページのアーカイブ本
  • 2026年の展示で何が出たか
  • 再放送時の話数の区切り
  • 監督の次作までにかかった年数

📈 数字で見る電脳コイル

全26話
TVアニメの話数。2007年放送
368ページ
2018年にコミケで先行販売されたアーカイブ本の分量
11年 / 約15年
磯光雄の次作が発表されるまで11年、公開までは約15年
第29回
受賞した日本SF大賞の回数

制作資料はどこで見られるのか

🔑 本が2種類あり、展示も行われた

  1. アニメ「電脳コイル」アーカイブ本。2018年8月10日〜12日のコミックマーケット94で先行販売され、初出資料を含む368ページでした。
  2. 「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」(2023年8月29日発売/スタイル/4950円)。「電脳コイル」などの企画書、アイデアメモ、シナリオ、設定、絵コンテを収録。
  3. 特別展示「磯光雄の作品世界」。2026年1月4日から3月8日まで(2月28日までの予定を延長)東京・アニメ東京ステーション地下1階で開催、入場無料(アニメスタイル)。

展示については、コミックナタリーが「実際は原画は展示されない」と訂正を出しています。出たのは企画書、イメージボード、デザイン画、プロットなど制作初期段階からの資料です。

監督が語ったこと

『電脳コイル』は、街のどこからでもネットに接続できる電脳メガネが流行した近未来を舞台に、電脳メガネをかけた子供たちが体験する不思議な出来事を描く作品です。磯光雄さんの初監督作品でもあります。

磯さんは2018年、11年ぶりの新作アニメ「地球外少年少女」の制作決定に合わせてコメントを出しました。作品の作り方が読める内容です。

「自分で作ってしまおうと思いました」

新作「地球外少年少女」の企画理由です。「電脳コイル」から11年後の発言になります。

「宇宙を舞台にしたアニメをあまり見かけなくなり、自分で作ってしまおうと思いました。宇宙はすでにSFに登場する遠いイメージではなく、実際に行ける場所になりつつある。そんな環境に投げ込まれた少年たちが体験する冒険を、実際に行ってみてきたような感覚で描いてみたい。」
— 磯光雄(「電脳コイル」原作・監督)(出典:コミックナタリー「電脳コイル」の磯光雄、11年ぶり新作アニメで宇宙に取り残された少年少女描く(2018年5月21日))

「あまり見かけなくなり、自分で作ってしまおう」。ないから作るという理由づけです。

そして「宇宙はすでにSFに登場する遠いイメージではなく、実際に行ける場所になりつつある」。技術の現実側の変化を出発点にしています。

「電脳コイル」も同じ構造です。街のどこからでもネットに接続できる電脳メガネという設定は、実際に近づいてきている技術を先に置いたものと読めます。

コミックナタリーは「地球外少年少女」の舞台を「インターネットとAIが普及した宇宙空間」「ナローバンドやSNS、低知能AIやスマートフォンで操作できるドローンなどを駆使して」と紹介しています。道具の名前が具体的です。

「電脳コイル」の基本情報

項目内容
作品名電脳コイル
原作・監督磯光雄(初監督作品)
放送2007年
話数全26話
総作画監督井上俊之
舞台街のどこからでもネットに接続できる電脳メガネが流行した近未来
受賞2007年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、第29回日本SF大賞など
電脳ペットデンスケ
アーカイブ本2018年8月10日〜12日のコミケ(C94)で先行販売。初出資料を含む368ページ
制作資料の書籍「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」(2023年8月29日/スタイル/4950円)
15周年BD-BOXが発売され、磯光雄が描き下ろしイラストで祝った
展示特別展示「磯光雄の作品世界」2026年1月4日〜3月8日(延長)/アニメ東京ステーション地下1階/無料
監督の次作「地球外少年少女」(2022年)

公開されている制作資料

本編以外に追える材料が3つあります。それぞれ中身が違います。

✅ 作品・公式で確認できること
コミックナタリーに掲載された内容です。
時期何が公開されたか
2018年8月10日〜12日アニメ「電脳コイル」アーカイブ本がコミケで先行販売。初出資料を含む368ページ
2019年6月14日雑誌「WIRED」Vol.33に磯光雄のインタビュー8ページ。「ミラーワールド」特集の一部として、「電脳コイル」で描きたかったことや自身のSF観を語る
2023年8月29日書籍「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」発売(スタイル/4950円)
同書の内容作画以前の工程で磯が手がけたもの。「電脳コイル」ほかの企画書、アイデアメモ、シナリオ、設定、絵コンテ。初公開を多く含む
同書の特典磯へのインタビューを収録した小冊子。2000年のインタビューを復刻したもので、アニメスタイル編集長・小黒祐一郎が磯の作画について聞いた内容
2026年1月4日〜3月8日(延長)特別展示「磯光雄の作品世界」(東京・アニメ東京ステーション地下1階/無料)
展示の内容「電脳コイル」「地球外少年少女」の企画書、イメージボード、デザイン画、プロットなど制作初期段階からの資料

「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」は「作画以前の工程」に絞った本です。同シリーズのvol.1・vol.2に続く第3弾で、収録作品は「電脳コイル」「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」「新世紀エヴァンゲリオン」「ラーゼフォン」「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」など。

特典の小冊子は2000年のインタビューの復刻です。コミックナタリーは「諸般の事情から世に出す機会がなかった」ものだと伝えています。「電脳コイル」の放送(2007年)より前の時期の発言になります。

2026年の展示について、コミックナタリーは記事初出時に原画が展示されると書き、のちに「情報提供元の誤りによるもので、実際は原画は展示されない」と訂正しました。出たのは制作初期段階の資料です。

再放送での話数の区切り

2022年1月から2月にかけて全26話が再放送されました。分けられ方を並べます。

✅ 作品・公式で確認できること
コミックナタリーに掲載された2022年の再放送・一挙配信の日程です。
媒体・日付話数
BSフジ 2022年1月22日(土)26:00〜28:551〜6話
BSフジ 2022年1月23日(日)26:00〜27:557〜10話
BSフジ 2022年1月29日(土)26:00〜1〜6話(変更後)
BSフジ 2022年1月30日(日)26:30〜7〜9話
BSフジ 2022年2月5日(土)26:00〜10〜15話
BSフジ 2022年2月6日(日)26:00〜16〜20話
BSフジ 2022年2月13日(日)27:30〜21〜23話
BSフジ 2022年2月19日(土)27:30〜24〜26話
ニコニコ生放送 2022年1月22日(土)18:00〜23:301〜13話
ニコニコ生放送 2022年1月23日(日)18:00〜23:3014〜26話

BSフジは6回、ニコニコ生放送は2回に分けています。同じ26話が、媒体によって違う区切りになっています。

ニコニコ生放送は1〜13話と14〜26話でちょうど半分。BSフジは当初、6話、4話、6話、3話、4話、3話の区切りで予定されていましたが、2022年1月27日に変更が発表され、1月29日から1〜6話、7〜9話、10〜15話、16〜20話、21〜23話、24〜26話の6回で放送し直されました(AV Watch)。

これらは放送枠の長さによる区切りです。物語の区切りと一致するとは限りません。本記事ではどこが話の区切りかを特定していません。

監督の次作までの年数

「電脳コイル」の次に磯光雄さんが監督した作品は「地球外少年少女」です。時間の数え方が2つあります。

✅ 作品・公式で確認できること
コミックナタリーの記事で使われた表現です。
時期できごと
2007年「電脳コイル」放送
2018年5月21日「地球外少年少女」の制作決定を発表。コミックナタリーは「11年ぶり新作アニメ」と表記
2020年10月27日2022年初春公開と発表。ティザービジュアル公開
2022年1月28日前編「地球外からの使者」を劇場上映。コミックナタリーは「約15年ぶりとなる磯監督の新作」と表記
2022年1月28日Netflixで全世界独占配信開始
2022年2月11日後編「はじまりの物語」を劇場上映
2023年11月NHKで地上波初放送

発表までが11年、公開までが約15年。コミックナタリーは記事の時点に応じて両方の数字を使っています。

「地球外少年少女」は全6話構成で、前編・後編に分けて各2週限定の劇場上映が行われました。同時にNetflixで全世界独占配信です。

スタッフは原作・脚本・監督が磯光雄さん、キャラクターデザインが吉田健一さん、メインアニメーターが井上俊之さん。井上俊之さんは「電脳コイル」で総作画監督を務めた人です。

2作をつなぐ人と絵

「電脳コイル」と「地球外少年少女」には、人の重なりとコラボ企画があります。

✅ 作品・公式で確認できること
コミックナタリーに掲載された内容です。
項目内容
井上俊之「電脳コイル」で総作画監督、「地球外少年少女」でメインアニメーター
コラボビジュアル「地球外少年少女」の主人公・登矢が「電脳コイル」の電脳ペット・デンスケと戯れる絵
描いた人井上俊之(描き下ろし)
メイキング特番BSフジで2022年1月20日・27日に前後編。磯監督とメインスタッフ陣に密着
「地球外少年少女」の舞台AIの発達により誰もが宇宙空間に行けるようになった2045年
制作Production +h.
TVアニメ「電脳コイル」放送完結15周年記念PV|Blu-ray BOX 2023年3月24日発売(バンダイナムコフィルムワークス チャンネル)

コラボビジュアルを描いたのが井上俊之さんです。両作に関わっている人が、両作のキャラクターを1枚に描いた形になります。

メイキング特番は前後編で、磯監督とメインスタッフに密着して制作の裏側を紹介する内容でした。

「電脳コイル」の再放送とメイキング特番が同じ時期(2022年1月)に組まれています。新作の公開に合わせて旧作と制作過程を同時に見せる編成です。

ここから先は筆者の見方です

❓ まだ分かっていないこと(以下は推測です)
ここから先は公表情報からの筆者の解釈です。関係者の説明ではありません。

企画書が公開されることの珍しさ

368ページのアーカイブ本、作画以前の工程に絞った書籍、制作初期資料の展示。3つとも中身が制作過程です。

筆者の見方では、磯光雄さんがアニメーター出身の監督であることと関係していると思います。書籍シリーズは「磯光雄 ANIMATION WORKS」という名前で、作画の仕事をまとめたvol.1・vol.2があり、第3弾が作画以前の工程でした。

そして特典の小冊子が2000年のインタビューの復刻で、内容が「磯のアニメーターとしての仕事を中心に彼の作画について」。作品より先に技術の記録が求められている作家だということでしょう。ここは筆者の読みです。

設定が古びるかどうか

電脳メガネは2007年の設定です。磯さんは「地球外少年少女」について「宇宙はすでにSFに登場する遠いイメージではなく、実際に行ける場所になりつつある」と述べました。

筆者の見方では、同じ姿勢が「電脳コイル」にもあったと思います。遠い未来の話ではなく、近づいてきている技術を先に置く作り方。

その結果、時間が経つと現実が追いつきます。2019年のWIRED Vol.33が「ミラーワールド」(VRやAR、AIが作る未来)の特集で磯さんに8ページ聞いているのは、現実の側から作品が参照された例と見えます。ただしこれは筆者の解釈です。

どう見るか

全26話です。ここは筆者の判断になります。

1話から順に見るだけでよいと思います。26話は1クール半ほどの分量で、途中に別の順番で見る理由は見つかりませんでした。

2022年の再放送は6回に分けられましたが、これは放送枠の都合です。物語の区切りとして使えるかは確認していません。

見終わったあとに追う材料が多い作品です。アーカイブ本、「ANIMATION WORKS preproduction」、そして次作「地球外少年少女」。次作は全6話で、メインアニメーターが「電脳コイル」の総作画監督だった井上俊之さんです。

どこで読める?

「電脳コイル」は2007年放送のTVアニメで全26話です。配信先は時期によって変わるため確認してください。

書籍「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」は2023年8月29日発売(スタイル、4950円)です。

特別展示「磯光雄の作品世界」は2026年1月4日から3月8日まで(当初予定の2月28日から延長)東京・アニメ東京ステーション地下1階で開催され、入場無料でした。

「地球外少年少女」は全6話構成で、2022年1月28日から前編、2月11日から後編が劇場上映され、Netflixで全世界独占配信されました。2023年11月にNHKで地上波初放送。

よくある質問

電脳コイルは何話ある?

全26話です。2007年に放送されました。

見る順番はある?

1話から順に見るだけです。2022年の再放送は6回に分けられましたが、これは放送枠の都合による区切りです。

監督は誰?

磯光雄さんです。「電脳コイル」が初監督作品で、原作も務めています。総作画監督は井上俊之さんです。

受賞歴は?

2007年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、第29回日本SF大賞などを受賞しています。

制作資料は見られる?

はい。2018年に368ページのアーカイブ本がコミケで先行販売され、2023年8月29日には企画書・アイデアメモ・シナリオ・設定・絵コンテを収めた「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」が発売されました。2026年1月から2月には東京で展示も行われました。

監督の次の作品は?

「地球外少年少女」です。2018年5月に制作決定が発表され、2022年1月から劇場上映されました。発表までが11年、公開までが約15年です。

「地球外少年少女」と関係はある?

メインアニメーターの井上俊之さんが「電脳コイル」の総作画監督です。井上さんが両作のキャラクターを描いたコラボビジュアルも公開されました。

15周年には何があった?

BD-BOXが発売され、磯光雄監督が描き下ろしイラストで祝いました。

まとめ

『電脳コイル』は全26話のTVアニメで、2007年に放送されました。磯光雄さんの初監督作品で、原作も務めています。2007年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、第29回日本SF大賞などを受賞。この作品には制作資料が公開されているという珍しい点があります。2018年8月にコミックマーケットで初出資料を含む368ページのアーカイブ本が先行販売され、2023年8月29日には作画以前の工程に絞った書籍「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」が発売されました。企画書、アイデアメモ、シナリオ、設定、絵コンテが収められています。2026年1月4日から3月8日には東京・アニメ東京ステーションで特別展示「磯光雄の作品世界」が開かれ、企画書やイメージボード、プロットなど制作初期段階の資料が並びました。磯さんの次作「地球外少年少女」は発表までが11年、公開までが約15年かかっています。

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出典

出典を示したうえで、必要な範囲だけを引用しています。本記事に画像は掲載していません。©磯 光雄/徳間書店・電脳コイル製作委員会

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