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鋼の錬金術師|出発点は哲学ではなく「壁や床からもりもり出せたら楽しい」だった

鋼の錬金術師 錬金術陣のイメージ画像(AI生成)

※本記事は、公式サイト・出版社・ニュースサイトで公開されている情報をもとにまとめています。推測にあたる部分は、その旨を書いています。

鋼の錬金術師は命や等価交換を扱う作品として読まれています。では作者は何から始めたのか。荒川弘さんはコミックナタリーのインタビューでこう答えています。「壁とか床から好きなものをもりもり出せたら楽しいなっていう、最初は単純に絵面的に楽しいマンガが描けたらいいなと思っていたんです」。哲学が先ではありません。調べていくうちに錬金術と賢者の石にたどり着き、そこから命の話が外せなくなった、という順序でした。さらに作者は、完結直後に「作品の最大の魅力は?」と聞かれて「まったくわからないです」と答えていたことも明かされています。

📘 この記事でわかること

  • 描き始めたきっかけ
  • コミカルな場面を入れた理由
  • 「最大の魅力」への答え
  • 兄弟愛についての本人の考え
  • 実写化に口を出さなかった理由
  • 映画が成立した理由

📈 数字で見る鋼の錬金術師

全27巻
単行本の巻数
7年
完結からこのインタビュー(2017年11月)までの期間
第49回
小学館漫画賞 少年向け部門を受賞した回(2003年)
7年ぶり
映画の入場者特典のために新作エピソードを描いたときの空白期間

この作品は何から始まったのか

🔑 絵面です。テーマは後から

  1. 「壁とか床から好きなものをもりもり出せたら楽しいな」。荒川弘さんはこれを最初の動機として挙げています。
  2. 調べていくうちに錬金術と賢者の石にたどり着いた。「錬金術って面白いな」と思って要素を組み合わせたと説明しています。
  3. ホムンクルスなど命に関わる要素が見逃せなくなった。そこから「生きることはどういうことなのか」が柱になりました。

つまりテーマが先にあって絵を考えたのではなく、絵の思いつきを調べた先にテーマが現れたという順序です。

作者が語ったこと

コミックナタリーは2017年11月2日、実写映画「鋼の錬金術師」(同年12月1日公開)に合わせて荒川弘さんのインタビューを掲載しました(取材・文は熊瀬哲子さん)。

映画の話が中心ですが、その中で原作の作り方についても具体的に語られています。順に見ます。

「壁とか床から好きなものをもりもり出せたら楽しいな」

「鋼」を描きたいと思ったきっかけを聞かれた答えです。

「壁とか床から好きなものをもりもり出せたら楽しいなっていう、最初は単純に絵面的に楽しいマンガが描けたらいいなと思っていたんです。そこからいろいろ調べていくうちに“錬金術”だったり“賢者の石”にたどり着いて。(中略)調べていくうちに「錬金術って面白いな」と思って、そういった要素を組み合わせていきました。そうすると、やっぱりホムンクルスとか命に関わる要素も見逃せなくなってくるので、そこはちゃんと描こうかなと。命に関わることや、「生きることはどういうことなのか」という哲学的な部分が柱になって、ストーリーを膨らませていきました。」
— 荒川弘(「鋼の錬金術師」作者)(出典:コミックナタリー 映画「鋼の錬金術師」特集 荒川弘インタビュー(2017年11月2日/取材・文 熊瀬哲子))

「単純に絵面的に楽しいマンガが描けたらいい」。ここが出発点です。テーマではありません。

順序が書かれています。絵の思いつき → 調べる → 錬金術と賢者の石 → ホムンクルス → 命の話。テーマは調べた先に出てきました。

「見逃せなくなってくるので、そこはちゃんと描こうかな」。命の話を最初から主題に据えたのではなく、題材を選んだ結果として避けられなくなった、という言い方です。

「哲学的な部分が柱になって」と本人も言っています。ただしそれは結果として柱になったものです。

「自分の好きな明るい少年マンガから離れていく感じがあった」

シリアスな作品の中にコミカルな場面がある理由です。狙いが説明されています。

「「鋼」ってオープニングから結構ハードですよね。1人は身体の一部を持っていかれて、1人は体の全部を持っていかれるという。そうなると精神的にも深いところに入っていかざるを得ないことになってしまって。自分の好きな明るい少年マンガから離れていく感じがあったので、なるべく読者さんにもどんよりとした読後感を与えないようにということは考えながら描いていきました。合間にコミカルな要素を入れたり、休憩になるようなシーンを入れてみたりとか。」
— 荒川弘(「鋼の錬金術師」作者)(出典:コミックナタリー 映画「鋼の錬金術師」特集 荒川弘インタビュー(2017年11月2日/取材・文 熊瀬哲子))

コミカルな場面は意図的です。「なるべく読者さんにもどんよりとした読後感を与えないように」と明言しています。

動機が個人的です。「自分の好きな明るい少年マンガから離れていく感じがあった」。作者本人の好みから遠ざかる感覚があったということです。

「休憩になるようなシーン」という言葉も使われています。読者の負荷を管理する単位として置かれていました。

そして「そのバランスを意識しながら描いていたので、結果的にああいうノリになりました」。あの独特のノリは調整の結果だと説明されています。

「まったくわからないです」

完結直後の雑誌インタビューで「作品の最大の魅力は?」と聞かれたときの答えを、コミックナタリーの取材者が本人に振り返らせています。

「どこなのかな……。アニメでもゲームでも今回の映画でも、“兄弟愛”や“兄弟の絆”の部分を膨らませていただくことが多くて、客観的に見たらそこなのかなとは思います。」
— 荒川弘(「鋼の錬金術師」作者)(出典:コミックナタリー 映画「鋼の錬金術師」特集 荒川弘インタビュー(2017年11月2日/取材・文 熊瀬哲子))

取材者は、完結直後の雑誌インタビューで荒川さんが「まったくわからないです」と答えていたと紹介しています。それから7年後の答えがこれです。

注目したいのは根拠の置き方です。自分の意図ではありません。「アニメでもゲームでも今回の映画でも、“兄弟愛”や“兄弟の絆”の部分を膨らませていただくことが多くて」。

他媒体がどこを膨らませたかを見て、逆算している。「客観的に見たらそこなのかな」という言い方です。

つまり作者は自作の魅力を、外からの扱い方を通して知ったことになります。7年経ってもまず「どこなのかな……」から始まっています。

「アルフォンスはアルフォンスとして描いていました」

“兄弟愛”が魅力とされることについて、描き手としてどう扱っていたか。

「禁忌とされる人体錬成を、兄弟で行ってしまったがために罪を背負っている。その自覚をちゃんと持った2人なので、お互いを大事にしなきゃいけないと感じているところはもちろん大切にしています。ただ私としてはエドはエド、アルはアル、一個人として立っていてほしいので、“「鋼の錬金術師」の弟”ではなく、アルフォンスはアルフォンスとして描いていました。」
— 荒川弘(「鋼の錬金術師」作者)(出典:コミックナタリー 映画「鋼の錬金術師」特集 荒川弘インタビュー(2017年11月2日/取材・文 熊瀬哲子))

「ただ」で切り返しています。兄弟愛を大切にしていたことは認めたうえで、力点は別だと説明しています。

「“「鋼の錬金術師」の弟”ではなく」。役割としての弟ではなく、一個人として立たせたかった。

本人は続けて、原作で兄弟が分かれて作戦を立て、アルフォンス自身が「自分がやらなきゃ」と進んでいく場面があったことも挙げています。「お互いを尊重する」部分を大切にしたという整理です。

外から見た魅力は“兄弟愛”。描き手が意識していたのは2人が別々に立っていること。同じ場面を指していても、見ている角度が違います。

「私は“餅は餅屋”だと思ってるんですよ」

実写映画にどこまで関わったかを聞かれた答えです。

「上がってきた脚本をチェックしたりはしましたけど、基本的には監督にお任せでした。座右の銘じゃないですけど、私は“餅は餅屋”だと思ってるんですよ。なので単純に「できあがりが楽しみだな」と思っていて。それはアニメのときもそうだったんです。「仕事をしない原作者ですみません」って感じなんですけど(笑)。」
— 荒川弘(「鋼の錬金術師」作者)(出典:コミックナタリー 映画「鋼の錬金術師」特集 荒川弘インタビュー(2017年11月2日/取材・文 熊瀬哲子))

関与は脚本チェックまで。「基本的には監督にお任せ」と本人が説明しています。

「それはアニメのときもそうだったんです」。実写だけの方針ではありません。アニメでも同じでした。

荒川さんはさらに「別に原作のことを気にする必要はないと思うんです。なので「好きにやってください」と」と話し、「実写としてキャラクターが立っていれば、原作から変化していても全然いいと思うんです」とも述べています。

具体例まで出ています。金髪のウィンリィについて「金髪にしなくていいんじゃない?」と思っていた、と。原作の見た目の再現を求めていませんでした。

「あ、こうきたか!」って違いを楽しんじゃうほう

実写化に不安を感じる読者について聞かれた答えです。

「私は自分が読んでいるマンガが実写化されるときも「新しい●●が観られるぞ!」って思うタイプなんですよね。原作と違うなと思っても、「えー、イメージと違う」とかじゃなくて、「あ、こうきたか!」って違いを楽しんじゃうほうで。「作り手がどういう意図でこのシーンを作ったのかな」とか考えるのも楽しいんですよ。」
— 荒川弘(「鋼の錬金術師」作者)(出典:コミックナタリー 映画「鋼の錬金術師」特集 荒川弘インタビュー(2017年11月2日/取材・文 熊瀬哲子))

読者としての態度が語られています。自作に限った話ではなく、自分が読んでいるマンガの実写化についても同じだと。

「作り手がどういう意図でこのシーンを作ったのかな」。違いの理由を考えるところまで楽しみに含めています。

荒川さんはこの流れで「原作は原作、アニメはアニメで皆さんの中にある確固たるものが壊れるわけではないですから、「お? 新たなチャレンジャーがきたぞ?」くらいの気軽な感じで」と読者に呼びかけています。

そして自身の立ち位置を「お祭りだー! キャッホー!」「お祭りを作ってくれてありがとう!」と表現し、連載当時と比べて「意外と当事者感が薄いかもしれない」とも話しています。

「鋼の錬金術師」の基本情報

鋼の錬金術師 公式サイトのキービジュアル
鋼の錬金術師 公式サイトより(出典:wwws.warnerbros.co.jp)
項目内容
作品名鋼の錬金術師
作者荒川弘
掲載誌月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)
単行本ガンガンコミックス(スクウェア・エニックス)/全27巻
受賞第49回小学館漫画賞 少年向け部門(2003年)
作者の生年1973年5月8日
作者の出身北海道
デビュー1999年、月刊少年ガンガンにて「STRAY DOG」
「鋼」の位置づけ同誌での初連載。雑誌の看板になるほどの大ヒット
作者の初の週刊連載銀の匙 Silver Spoon(2011年/週刊少年サンデー・小学館)
自画像が牛の理由実家が牧場経営、丑年生まれで牡牛座であることに由来
実写映画鋼の錬金術師/2017年12月1日全国公開
実写映画の監督曽利文彦
エド役山田涼介(Hey! Say! JUMP)
映画でのアル全編フルCG
実写映画 完結編2022年公開。荒川弘描き下ろしイラストの入場者特典を配布

映画が成立した理由

企画が動いたきっかけを、作者が監督の言葉として紹介しています。

✅ 作品・公式で確認できること
コミックナタリーのインタビューで荒川弘が語った内容です。
項目内容
監督曽利文彦
監督の言葉(荒川の紹介)「何年か前のCG技術だったらできなかったけど、今なら『鋼の錬金術師』を作れる。ぜひやらせてください」
持ち込み先スクウェア・エニックス
荒川の反応「それを聞いて、純粋に「あ、じゃあ観てみたい」って思ったんですよね」
監督への評価「ピンポン」のときもCGを使ってマンガ的な表現を撮るのが非常に上手な監督だと思っていた
アルの表現全編フルCG
撮影の実際エドとアルのケンカのシーンで、山田涼介は何もないところを殴り続けて撮影した

技術が先に来ています。「何年か前のCG技術だったらできなかった」という監督の言葉から企画が動いています。

荒川さんの反応が「純粋に「あ、じゃあ観てみたい」」。作者としての判断ではなく、観客としての興味です。

アルは全編フルCG。ケンカの場面は山田涼介さんが何もないところを殴り、その演技に合わせてアルフォンスのCGを作ったと説明されています。

荒川さんは「実際に映画を観ると、本当にアルがそこにいて殴られてるみたいなんですよね」と話し、「日本のCGも日々進化してるんだなと驚きました」と続けています。

15巻の巻末に「もし実写化したら?」が描かれていた

実写化の11年前に、単行本の巻末でその話をしていました。

✅ 作品・公式で確認できること
コミックナタリーの取材者が示し、荒川弘が認めた内容です。
項目内容
該当巻「鋼の錬金術師」15巻
発売年2006年
内容巻末に「もし実写化したら?」という話をアシスタントの皆さんとしたことが描かれている
実写化の発表エド役は山田涼介、2017年冬に公開
実写映画の公開2017年12月1日
荒川の反応「実写化すると聞いたときの第一声は「おおっ!」という感じで」「15巻の巻末にも描いた、みんなでわいわいしゃべっていたときのことを思い出しましたね」

2006年の15巻巻末に、実写化の雑談が載っています。そして実際の公開は2017年12月1日。11年後です。

アシスタントとの雑談という位置づけでした。企画の話ではありません。

実写化を聞いた本人の第一声が「おおっ!」。そしてその巻末の記憶を思い出した、と語っています。単行本を持っている人は確認できる箇所です。

映画の入場者特典は描き下ろしの新作エピソード

2017年の映画では、原作者の新作が特典として配られました。

✅ 作品・公式で確認できること
コミックナタリーのインタビューで語られた内容です。
項目内容
特典描き下ろしの新作エピソードが収録された「特別編コミックス」
配布映画「鋼の錬金術師」の入場者プレゼント
荒川のコメント「ちゃんとしたストーリーを描くのは7年ぶりくらいになりますかね」
描く前の心配「最初は「描けるのかな」「絵、変わってないかな?」って心配でした」
本人の分析「キャラクターの感覚はすぐ戻ってくるから大丈夫なんですけど、絵柄はどんどん変わっていってしまいますからね」
確認の機会「鋼の錬金術師展」用に少し描いて「そんなに変わってなかったから安心しました」
2022年の完結編荒川弘描き下ろしイラストを使用した入場者特典を配布

「ちゃんとしたストーリーを描くのは7年ぶり」。完結から映画までの空白がそのまま出ています。

心配したのは話ではなく絵でした。「キャラクターの感覚はすぐ戻ってくるから大丈夫」だが「絵柄はどんどん変わっていってしまいます」。

そして「鋼の錬金術師展」用に少し描いて確認していました。展覧会の仕事が新作を描く前のテストになっていたことになります。

2022年の実写映画 完結編でも、荒川さんの描き下ろしイラストを使った入場者特典が配られています。

2017年映画のキャストとスタッフ

作者が「豪華でした」と話した座組です。

✅ 作品・公式で確認できること
コミックナタリーの特集ページに掲載された作品情報です。
役キャスト
監督曽利文彦
原作荒川弘「鋼の錬金術師」(ガンガンコミックス/スクウェア・エニックス刊)
エド山田涼介
ウィンリィ本田翼
マスタングディーン・フジオカ
ホークアイ蓮佛美沙子
エンヴィー本郷奏多
マルコー國村隼
コーネロ石丸謙二郎
グレイシア・ヒューズ原田夏希
グラトニー内山信二
ロス夏菜
タッカー大泉洋(特別出演)
マース・ヒューズ佐藤隆太
ハクロ小日向文世
ラスト松雪泰子
公開2017年12月1日(金)全国公開

荒川さんは「脇役も普段は主役をやられているような方がたくさんいらっしゃって、ホントに豪華でした」と話しています。

山田涼介さんについては、2015年公開の映画「グラスホッパー」を見て「絶対この方はアクションがうまい」と思っていたと語っています。

走り方にも触れています。「原作のエドって、あまりカッコいい走り方をしてないんですよ」「山田さんはそういうところもしっかりと表現してくださってました」。

大泉洋さんについては「同じ北海道人として気になっちゃいますね。北海道の星です」とコメントしています。

ここから先は筆者の見方です

❓ まだ分かっていないこと(以下は推測です)
ここから先は公表情報からの筆者の解釈です。関係者の説明ではありません。

「絵面が先」だったことの意味

荒川さんは出発点を「壁とか床から好きなものをもりもり出せたら楽しいな」と説明し、そこから調べて錬金術に行き着いたと語りました。

筆者の見方では、だから錬金術の描写が具体的なのだと思います。テーマを語るための道具として錬金術を選んだのではなく、絵として面白いから選んでいます。だから出し方にこだわりが出る。

そして「命に関わる要素も見逃せなくなってくる」。題材を深く調べたから重い話になったという順序です。重い話をしたいから題材を探したのではない。ここは筆者の読みです。

作者と読者で見ている場所が違う

外から言われる魅力は“兄弟愛”“兄弟の絆”。一方で荒川さんは「アルフォンスはアルフォンスとして描いていました」と話し、2人が一個人として立つことを意識していました。

筆者の見方では、ここはズレというより表と裏です。2人が別々に立っているから、寄り添う場面が効く。独立していない2人が仲良くしていても絆には見えません。

つまり読者が“絆”として受け取っているものは、作者が「別々に立たせた」結果として生まれたのかもしれません。作者が「まったくわからないです」と答えたのも、自分が置いた狙いと読者が受け取ったものの名前が違ったからではないか。ここは筆者の推測です。

どこから読むか・観るか

ここは筆者の判断になります。

原作は全27巻。月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)の連載で、第49回小学館漫画賞 少年向け部門を受賞しています。

15巻の巻末は寄り道として面白いところです。2006年の時点でアシスタントと「もし実写化したら?」と話した内容が描かれていて、11年後に実際に映画になりました。

実写映画(2017年12月1日公開)は、作者の態度を知ってから観ると見方が変わります。荒川さんは「基本的には監督にお任せ」「原作から変化していても全然いい」「「あ、こうきたか!」って違いを楽しんじゃうほう」と話しています。原作との違いを探す作業が、作者の推奨する観方とずれないということです。

作者のほかの作品としては、2011年に週刊少年サンデー(小学館)で始まった「銀の匙 Silver Spoon」があります。実家が牧場経営という経歴とつながる作品です。

どこで読める?

「鋼の錬金術師」は月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)で連載され、単行本はガンガンコミックスから全27巻が刊行されています。第49回小学館漫画賞 少年向け部門を受賞しました。

実写映画「鋼の錬金術師」は2017年12月1日公開。監督は曽利文彦さん、エド役は山田涼介さんです。2022年には完結編が公開されました。

作者の荒川弘さんは1999年に月刊少年ガンガンで「STRAY DOG」デビュー、2011年に週刊少年サンデー(小学館)で「銀の匙 Silver Spoon」を開始しています。

配信・取扱状況は時期によって変わるため確認してください。

よくある質問

鋼の錬金術師は何巻?

全27巻です。月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)で連載されました。

作者はこの作品を何から思いついた?

荒川弘さんは「壁とか床から好きなものをもりもり出せたら楽しいなっていう、最初は単純に絵面的に楽しいマンガが描けたらいいなと思っていた」と説明しています。調べていくうちに錬金術と賢者の石にたどり着いたそうです。

命や哲学のテーマは最初からあった?

順序は逆です。錬金術を調べるうちに「ホムンクルスとか命に関わる要素も見逃せなくなってくる」ため、そこから「生きることはどういうことなのか」が柱になったと語られています。

なぜシリアスな中にコミカルな場面があるの?

意図的です。荒川さんは「自分の好きな明るい少年マンガから離れていく感じがあった」ため「なるべく読者さんにもどんよりとした読後感を与えないように」コミカルな要素や「休憩になるようなシーン」を入れたと説明しています。

作者は作品の魅力をどう説明している?

完結直後の雑誌インタビューでは「まったくわからないです」と答えていました。7年後のコミックナタリーのインタビューでは、他媒体が“兄弟愛”や“兄弟の絆”を膨らませることが多いことから「客観的に見たらそこなのかな」と話しています。

兄弟愛について作者はどう考えている?

大切にしていたと認めたうえで「エドはエド、アルはアル、一個人として立っていてほしい」「“「鋼の錬金術師」の弟”ではなく、アルフォンスはアルフォンスとして描いていました」と語っています。

実写映画に作者はどこまで関わった?

脚本のチェックまでです。「基本的には監督にお任せ」「私は“餅は餅屋”だと思ってる」と話し、アニメのときも同じだったと説明しています。

原作と違う点があってもいいの?

荒川さんは「実写としてキャラクターが立っていれば、原作から変化していても全然いいと思うんです」と話し、自身も「「あ、こうきたか!」って違いを楽しんじゃうほう」だと語っています。

実写映画のアルはどう作られた?

全編フルCGです。エドとアルのケンカのシーンでは、山田涼介さんが何もないところを殴り続けて撮影し、その演技に合わせてアルフォンスのCGが作られました。

15巻に何が描かれている?

2006年発売の15巻の巻末に、アシスタントと「もし実写化したら?」という話をしたことが描かれています。実際の実写映画は11年後の2017年12月1日公開でした。

まとめ

『鋼の錬金術師』は命や等価交換を扱う作品として読まれていますが、作者の出発点は違いました。荒川弘さんはコミックナタリーのインタビューで「壁とか床から好きなものをもりもり出せたら楽しいなっていう、最初は単純に絵面的に楽しいマンガが描けたらいいなと思っていた」と説明しています。そこから調べて錬金術と賢者の石にたどり着き、「ホムンクルスとか命に関わる要素も見逃せなくなってくる」ため哲学的な部分が柱になった、という順序でした。シリアスな中のコミカルな場面も意図的で、「自分の好きな明るい少年マンガから離れていく感じがあった」ため読後感を調整したと語っています。さらに荒川さんは、完結直後の雑誌インタビューで作品の最大の魅力を問われて「まったくわからないです」と答えていました。7年後の答えは、他媒体が“兄弟愛”を膨らませることが多いことから「客観的に見たらそこなのかな」。実写映画については「私は“餅は餅屋”だと思ってる」と監督に任せ、「原作から変化していても全然いい」と話しています。

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出典

本記事の画像は公式サイト・公式YouTubeが公開したものを、出典を示して引用しています。文章の引用も必要な範囲にとどめました。©2017 荒川弘/SQUARE ENIX

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